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新型うつ|心理的理解、治療法と解決法

自称“新型”うつ(20代男性)

Fさん 20代 男性

大学で就職活動をしましたが、別に会社への憧れも職種の希望もなく漠然と入社し、現在に至ります。

もともとモチベーションがなかったため、上司や先輩に怒られると段々と会社へ行く気が無くなっていきました。

ある日、会議に出なければいけない日でしたが、どうしても体が動かず休んでしまいました。

夕方に事前に約束をしていた友人との飲み会には参加できましたが、やはり翌日も仕事に行くことがどうしてもできずに休んでしまいました。

いわゆる、“新型”うつだと自分で思い、相談に来ました。

 

理解と対応:

理解の前提として、「“新型”うつ」という単語は、精神科診断基準の本のどこにも載っていない、ということが言えます。

日本うつ病学会のガイドラインによると、「専門家の間では、若年者の軽症抑うつ状態の研究が盛んに行われている。この一側面を切り取った「現代型(新型)うつ」は、マスコミ用語であり、精神医学的に深く考慮されたものではなく、治療のエビデンスもない」とされています。

20年程前、「心の闇」なんて単語がやはり大流行した記憶があります。

これと似たようなものかもしれません。

「“新型”うつ」とは結局何なのかについては、多くの先生方が議論をされておりますので、その結果を待ちたいと思います。

 

一方で、20代や30代前半の方で、自称「“新型”うつ」ということでカウンセリングにいらっしゃる方も実は多くいらっしゃいます。

確かに「うつ」の症状は部分的には見受けられますが、それは二次的に発生した問題であり、本質的な問題は別にあるように見受けられます。

 

その本質的な問題は、パーソナリティの成熟と言えるかもしれません。

確かに、症状としては間違いなく存在し、仮病ではなくその方を苦しめているものです。

一方で、本来背負う責任を背負えない側面も持ち合わせているのです。

 

繰り返しにはなりますが、「うつ」という症状は確かに側面としては存在しますが、その本質的な問題は心理的な在り方に一因があると思われます。

社会(会社)の要請と、実際のご自分像(かつ、往々にしてぼやっとしている自分像)との間にギャップがあり、それが症状として出ていると考えられます。

そこに、カウンセリングをする意味があります。

実際のご自分像をまずは自分でしっかりと認識することが一歩です。

「自分はこうである」というアイデンティティをしっかり確立しつつ、自立し、自律でき、大人として独立して歩いていける形に自分を持っていけることが、本質的な解決への一助となります。

 

時間は掛かりますが、何となくではなく、しっかりと自分を形づくり、歩んでいけるように今一度自分について見つめなおす時間。

それはカウンセリングでしか成しえません。

 

※「“新型”うつ」は非常に曖昧な領域です。今回ここに載せたものは、その一例に過ぎません。全てがこうであるとは申し上げません。そのため、クレーム等に対してはコメントいたしかねます。予めご了承ください。