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臨床心理士の使い方

カウンセリングをしていると、1か月に1度位はこんなことを耳にします。

 

「○○先生(精神科医)は5分くらいしか話を聞いてくれない」

「もっと話をしたいのに…」

 

それは、正直そうだと思います。

医師が話を聞いてくれる、確かにそれだけで安心するときも多くあります。

が、しかし、残念ながら医師は限られた時間の中で多くの患者を見なければなりません。

私も長年精神科に勤めていましたが、実際お忙しそうでした。

 

むしろ、じっくり話す、悩みを打ち明ける、可能であれば解決策を探す、もしかしたらもっと深い心の部分の問題かも…など、「話す」という意味では心理士の方が良いかと思います。

 

単純に時間的な問題はもちろん、予約形態、使う知識など、臨床心理士というのはおおよそ人間の心に関することを第一に学び、臨床経験を積んでいる人たちのことです。

アメリカでは個人の悩みや困難で「セラピスト」を使うのは日常のことです。

自身の内面を話し、そこから少しずつ変わっていく。

是非、日本でもいい意味での理解や利用が進んでいくといいなぁと思っています。

 

なお、医師はどちらかと言えば症状の消失などを見ていくことがおおいので、例えば気分の落ち込み、睡眠時間、食事量なども当然聞いてくることが多いです(心理士も聞きますが、ウェイトは違うでしょう)

 

多少古典的ではありますが、例えばなぜ人は「うつ」になるのか、という原因に関して以下のような考え方があります。

 

外因性…脳へ外からの圧力によるもの

内因性…脳の内側の問題、神経伝達物質など。

心因性…いわゆるメンタル的な問題

 

と、ざっくりではありますがご理解いただければいいかと思います。

 

うつになる原因って何でしょうかね?

外からの圧力、例えば交通事故で脳を損傷する…うつになるかもしれません。

もともと生まれつきに脳内物質がうまく機能していない…うつになるかもしれません。

職場で上司とうまくいかない…うつになるかもしれません。

 

さて、私たちがうつになる原因として多いものはどれか?を考えると、答えは簡単です。

明らかに私たちは、心因性によるうつになる機会が多い(?)はずです。

カウンセリングはどこに効くのか?と考えると、その心因性に良く効くわけです。

「話す」という形で振り返ったり、悲しんだり、考えたり…

ちょっと昔を考えてみたり…

これからのことを、紆余曲折しながら考えてみたり…

そんなニーズの場合は、心理士のカウンセリングの方が感情をゆっくりと抱えていけるのではないでしょうか?

 

もちろん、カウンセリングを受けるだけで全てが解決するわけではありまんせんが、上手な臨床心理士の使い方を皆さんもされてくださいね。