カウンセリングがどんな方へ有効か?という話をするためには、不安・緊張というのは切っても切り離せません。
不安と緊張というのは精神科・心理的な症状と極めて密接な関係で、必ず何らかの形で心の問題として生じてくることがあると言っても過言ではありません。
診断だけならたくさんありますが(不安障害、パニック障害、広場恐怖、強迫神経症、等)、いずれのものも不安や緊張からくる症状の現れと言うことができます。
漠然とした不安がある(不安感)
人目の多いところが不安である(社会不安障害)
無駄だとわかっているのに、不安だから確認や確証を得たくてついつい同じことを繰り返してしまう(強迫)
他人や他人からの評価が怖い(対人恐怖)
これから私は失敗してしまうに違いない(誤った認識による予期不安)
こういったものは全て不安や緊張から生じてくるものです。
こういった不安を改善するためには、抗不安薬は有効です。
抗不安薬は効き目を感じやすい特徴もありますので、正しく服薬すればそれ相応の効果が期待できます。
一部の状態像には、抗うつ薬(SSRI)や抗精神病薬が併用されることもありますし、実際有効なこともあります。
ですが、薬だけでは根本的な改善にならないことの方が多いです。
「不安」はなくなるのか
赤ちゃんとして誕生したころ、基本的には世界は2次元と言われています。
「快」か「不快」か。
お腹が減るのは「不快」、だから泣いて親・保護者にお知らせをしてくれます。
空腹が満たされると、「快」になり、そのまま気持ちいいという「快」感情と共に眠りに落ちます。
やがて発達をしていくと、母親を認識して、自分に愛情を注いでくれる存在として愛着関係を発達させていきます。
しかし、「愛着」と同時に「不安」も生じます。
愛する人を失う「不安」は耐え難いものです。
赤ちゃんの時、母親の姿が見えないだけで泣いてしまうというのはよくあることと言えます。
しかし、その「不安」を抱えつつも「愛着」が揺るぎないものであると認識できると、さらに精神面で発達をしていきます。
そしてその「不安」は年齢相応の「不安」として、思考力の発達や、年齢に応じた形で常に私たちの生活のどこかに潜むものです。
逆に申し上げると、私たちの生活は不安があるからこそのリスクヘッジ(リスクに対する備え)ができるわけです。
生命保険なんて、最たるものと言えます。
自分の命が不意になくなってしまい、残される人の金銭的な負担や生活面での支障がでたらどうしよう…という不安に大して、保険という形で金銭面の積み立てや備えをするものが生命保険ですからね。
その他、震災への備え、お墓の備えなどの不可避のものから、明日のプレゼンの入念な準備、ブラック企業からの転職などの日常生活、さらには明日の朝ご飯の買い物(ご飯なかったらどうしよう…)といったレベルまで、私たちの行動はある意味不安を効果的に解決しようとする営みとさえ、端的に言うことができます(あくまで端的にです)。
不安・緊張の治療のゴール
カウンセリングではしばしば「不安を無くしたい」「不安さえなくなれば、日常生活は問題ない」なんて言葉を良く聞きます。
はっきり申し上げると、無理です。
不安を人間から取り去ることはできません。
上述の通り、不安は人間に必要な感情だからです。
不安があるから人間は人間として生活をしていけるのです。
不安のない人生なんてありえません。
むしろ、不安を自分で抱えきれない、抱えきれない不安が何かの「症状」という形を伴って表出をしてくる、そちらの方こそが問題なのです。
「症状」を無くすことは、極論を言うと、根本的な治療ではありません。
対処療法です。
不安は不安として抱えられて持てるようになることの方が、根本的な治療であり、人間的な意味合いでは大きく成長をすることができると言えます。
上述の通り、自分で不安を抱えきれなくなった時に、症状としての何かの表出が出てきます。
それが例えばパニック発作であったり、強迫的な行為や観念であったりになるのです。
自分は何に不安を抱いているのか?
それは往々にして自分ではわからなくなってしまいます。
だから、カウンセリングという形で他者の視点が必要なのです。
そしてそれがわかっていくことによって、症状が治まっていくことが多々あるのを、私たち臨床心理士はよく知っています。
不安による症状がつらい方、是非一度お問い合わせください。
わからなくなってしまっている「不安」の源を一緒に探していきましょう。
決して短く楽な道ではありませんが、しっかりとした治療を一緒に進めていく準備が当オフィスにはあります。
是非、ご連絡をお待ちしております。
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さらに詳しい「対人恐怖(不安)」などは別のページでご紹介をいたします。
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2017/12/5 加筆修正