· 

臨床心理士、辞めます(カウンセリングは続けます)

臨床心理士資格を今回は更新いたしません

タイトルの通りですが、共通しての説明のためにこのブログ記事を作成いたしました。

 

そもそもですが、臨床心理士資格とは、文部科学省が認定している(だった気がする)、現在のいわゆるカウンセラーのもっともポピュラーな資格です。

似たようなもので「公認心理士」という国家資格がありますが、カウンセラーとしての専門教育を受けたのは「臨床心理士」の方が意味合いが強いようです。(私は公認心理士を持っておりませんが)

公認心理士は、極端な話占い師とかでも何年かやれば資格が取れます。

ただ、両資格とも「独占業務」(法律により、その資格がないと当該行為をしてはいけない)はありません。

つまり、カウンセリングって名前だけなら誰でもできるんです。

何なら通信でちょっと勉強しただけでもナントカカウンセラーって資格はいっぱいあります

 

で、この臨床心理士資格なのですが、5年に1度更新が必要で、更新するためには各種学会に参加する、こころの健康会議っていうのに参加する、論文を執筆する、など、ポイント制になってまして、15ポイント取るとめでたく5年更新となります。

 

更新制度自体はいいと思うのです。

が、この更新システムの内実が私の現場とマッチしていないのです。

こころの健康会議っていうのが基本的は地方で開かれておりまして、これが抽選制っていう謎仕様。(席の上限があるというのはわかりますが、その席数がニーズを満たしておらず、何回か私落選しました)

しかも実施する3か月位前にお手紙が届いて初めて知る、というタイミング。

 

うちのオフィスですと、このブログ記事書いている2月10日現在、6月19日まで日曜日は何かしらの予約で既に入っています。

つまり、参加するためには患者さんにリスケを相談しないといけないのですが、信頼関係商売なのにそれってどうなのかな?と思ってしまうのです。

(まぁ、ご相談させて頂くこともありますけど)

さらに基本地方なので日帰りだと本当に弾丸ツアーで超しんどい。(岡山新幹線日帰りとか本当につらかった)

前泊でも行き帰り労力は変わらず、何なら宿泊費は持ち出し。

(どうせ泊まるなら家族と旅行に行きたいものです)

学会は比較的都内近郊で行ってくれることが多いのですが、その学会への参加と言っても、そもそも学会には年会費かかり、大会参加費かかり、研修にも費用かかり、結構な金額を持ち出さないといけないのです。

 

 

なのに独占業務じゃない(笑)

 

現状、臨床心理士資格って、どこかに雇われる時には必須なことが多い(医療従事者の場合、算定の問題にも関わります)ので必要なのですが…

独立開業している私って、正直臨床心理士資格の恩恵を感じないんです。

「臨床心理士資格保有者だから新規予約を入れた」っていう方も少数いらっしゃるのですが、メインの理由は「ここならちゃんと話を聞いてくれそう」っていう理由が圧倒的に多いのです。

また、最近はありがたいことにご紹介でいらっしゃる方も多く、そういう方の場合私が臨床心理士資格を持っているということさえご存知ない方がほとんどです。

 

そのくせ、5年トータルでン十万の経済的負担(交通費含む)と、かなりの労力的負担と、かなりの時間的負担を強いてくる臨床心理士資格…

 

さらに、私と同じテストで臨床心理士資格取った人は4000人くらいいたはずなのですが、この前(5年前)更新した方はなんと1500人くらい…

実に半数以上の方が臨床心理士資格を手放しているんですよね。

臨床心理士って7割くらい?女性の方で、それは当然妊娠出産というイベントがある方が多いという統計上の理由はありますが、それにしても必要な経済的・労力的・時間的コストと、得られるパフォーマンスを天秤にかけたときに、「これでは食べて行けない」ということで手放される方が多いのではないかと思います。

 

とまぁ、色々書きましたが、「元」臨床心理士で、精神科歴10年、カウンセリング歴20年の「自称」カウンセラーの私となりますので、今後ともよろしくお願いいたします